「デビットカード」と「クレジットカード」、どちらも日常のお買い物などに使うことができて使用シーンも似ていますが、実は細かな機能が異なります。
この記事では、デビットカードの特徴や、デビットカードとクレジットカードの違い、2つのカードの使い分け方などについてご紹介します。
「意外とデビットカードとクレジットカードの違いが分かっていなかった…」という方はもちろん、賢く使い分けてお得に暮らしたいという方もぜひ最後までご覧ください！
デビットカードとは
デビットカードの特徴
デビットカードは、銀行口座と直接紐づいており、カードを使ったと同時に銀行口座から利用した金額が引き落とされることが大きな特徴のカードです。
お金の動きがすぐにわかるため、お金の使いすぎを防止することができ、まだクレジットカードを持ったことがない方などにおすすめのカードと言えます。
デビットカードには2種類ある
実はデビットカードには大まかに分けて、2つの種類があるということを知っていたでしょうか？デビットカードの2つの種類についてご紹介します。
J-Debit
【出典】日本電子決済推進機構
J-Debitとは、日本の金融機関や銀行が提供しているキャッシュカード一体型のデビットカードです。J-Debitは1000以上の金融機関から成り立っているサービスであり、お手持ちのキャッシュカードを全国のJ-Debitマークのある加盟店のお店で利用することができます。
既に持っているキャッシュカードをデビットカードとして利用できることが大きな特徴です。
ただし、J-Debitカードは、海外店舗での使用・海外ATMでの現地通貨引き出しなどには利用することができないので注意が必要です。
ちなみにキャッシュカードとは、ATMで口座から預金を引き出したり、入金、振り込みをする際に使うカードのことです。
ブランドデビット
ブランドデビットとは、特定のブランドが提供しているデビットカードのことを指します。特定のブランドとは、Visa、Mastercard、JCB、American Express、Discoverなど、聞き馴染みの深いブランドが含まれます。
ブランドデビットカードは、ブランドが提供している特典やサービスなどを受けれることがあります。例えば、楽天銀行のゴールドデビットカードでは、国内旅行傷害保険/海外旅行傷害保険が利用付帯します。（利用付帯とは、「旅行に行く際の飛行機代などを当該クレジットカードで支払う」などの条件を満たした場合に、保険が適用されることを指します。）
また、J-Debitカードと違い、日本国内のみならず海外の店舗でも当該ブランドの加盟店であれば利用可能であり、海外ATMでの現地通貨引き出しを行うこともできます。
デビットカードとクレジットカードの違い
デビットカードとクレジットカードの違いを大まかに5つご紹介します。
違い1：引き落としのタイミング
デビットカードは、「支払いと同時に」紐づけられた銀行から利用金額が引き落とされます。クレジットカードは利用金額を「後払い」する仕組みであるため、この点がクレジットカードとの大きな違いと言えます。
デビットカードは支払いと同時に銀行口座から引き落とされるため、現金に近い感覚で使用することができます。
違い2：還元率
クレジットカードを買い物の支払いなどに使用すると、カードの種類に応じてポイントをもらうことができます。
一方で、デビットカードはポイントサービスが無い場合もあり、ポイントサービスが付帯している場合でも一般的にはクレジットカードよりも還元率が低いと言えます。例えば、三井住友銀行がデビットカード「SMBCデビット」は0.5%の還元率であるのに対し、同社の提供するクレジットカード「三井住友カード（NL）」はコンビニなどの対象のお店で7％の還元率となっています。
デビットカードは、「現金のように使えてお金の管理がしやすい」という利点がある一方で、還元率や特典などはクレジットカードの方が一般的に優れていると言えます。
高速道路や有料道路の料金支払いが自動でできる「ETCカード」や、カードを発行した本人の家族が使用できる「家族カード」などを当該カードに紐付けて発行できるのはクレジットカードのみの特典です。
【出典】三井住友カード
違い3：審査の有無
クレジットカードを発行するにあたって、カード会社はその人物がカードを使用するのに適しているかどうか「審査」を行います。クレジットカードは基本的に後払いであり、カード利用者は一時的にカード会社から「借金」をしていることになるためです。利用金額を後からしっかり払えるとカード会社が「信頼」した人物にのみカードが発行されます。一般的には、収入や職業などを基準に審査が行われています。
一方で、デビットカードは紐付けた自身の銀行口座内＝利用可能額であるため、基本的に審査不要で作ることができます。
違い4：年齢制限
デビットカードは15歳から発行可能であることが多いのに対して、クレジットカードは高校生を除く18歳以上から発行可能な場合が多いです。
審査の有無と同じように、クレジットカードは「きちんとカードの利用代金を後払いできるか」をチェックする必要があるため、年齢制限がデビットカードよりも高めに設定されています。
違い5：支払い回数
デビットカードは、「カード使用時に即時銀行引き落としである」というカードの特性上1回払いしか選択することができません。
一方で、クレジットカードは1回払いに加えて、分割払い、リボ払い、ボーナス払いなどの支払い方法を選択することができます。
違い6：利用限度額
デビットカードは紐付けた自身の銀行口座のお金が無くなってしまったら使えなくなるため、「カードの利用限度額」＝「銀行口座の残高」であるのに対し、クレジットカードは各種カードに応じた利用限度額まで利用することができます。
カードの利用限度額は、発行審査の際にカード会社に送った年収や年齢、職業などの業況を元にカード会社が決めます。
1枚のカードの利用限度額が10万円しかないという場合もありますが、クレジットカードは場合に応じて複数枚発行することができるので、利用可能額はその分増えていきます。
デビットカードとクレジットカードの使い分け方
デビットカードとクレジットカードの違いが大まかに分かったでしょうか？2つの違いが分かった上で、どちらのカードを使えば良いのか迷っている方もいると思います。
ここでは、デビットカードとクレジットカードどちらを使えば良いのかパターンごとにご紹介します。
①大きな金額の買い物がしたい→クレジットカード
大きな金額の買い物がしたいという方はクレジットカードがおすすめです。
クレジットカードの支払い方法は基本的に後払いであるため、今手元に資金が不足している場合や、ボーナスなどで支払いたい場合でも、大きな金額の買い物をすることができます。
また、クレジットカードはデビットカードよりも基本的に還元率が高いため、利用金額が大きくなるほどもらえるポイントにも差が開き、お得にポイントを貯めることができます。
②お金の管理が苦手→デビットカード
クレジットカードをまだ使ったことがない方や、お金の管理が苦手という方はデビットカードがおすすめです。
デビットカードは、使った金額が即時銀行引き落としであるため現金感覚で使うことができ、クレジットカードのように「後からお金が足りなかった！」という心配がありません。
また、利用できる金額は預金残高の範囲内であるため、不正利用された際も預金残高の分までで不正利用額を抑えることができます。
③車をよく使う、ETCカードが欲しい→クレジットカード
車をよく使う方で、ETCカードを紐づけて発行したい場合、デビットカードにETCカードを紐づけて発行することはできないため、クレジットカードがおすすめと言えます。
また、空港のラウンジ利用や、旅行保険などの特典がクレジットカードにはついてくることが多いので、そういった特典が魅力の場合は、クレジットカードを作ると良いでしょう。
デビットカードとクレジットカードの使い分け方をご紹介しましたが、両方のカードを持つことももちろん可能ですので、ご自身に合ったカードを選んでください♪
まとめ
デビットカードとクレジットカードの違いをご紹介しました。本記事でご紹介した違いについて以下にまとめました。
「デビットカードは即時銀行引き落とし、クレジットカードは後払い」
「クレジットカードの方がデビットカードより特典や還元率が充実している場合が多い」
「クレジットカードは審査が必要で、デビットカードは審査が不要」
「デビットカードは15歳以上、クレジットカードは18歳以上から作成可能な場合が多い」
「デビットカードは原則1回払い、クレジットカードは分割払いやボーナス払いなども選択できる」
「デビットカードは利用限度額＝銀行口座残高、クレジットカードは利用限度額は各種カードに応じた額」状況に応じたデビットカードとクレジットカードの使い分け方についてもご紹介したので、本記事を参考に自分にぴったりなカードを探してみてください！
よくある質問
Q.デビットカードにもランクはあるの？
A.デビットカードにもランクはあります。一般的には、一般＜ゴールド＜プラチナ＜ブラックの4つに分けることがあります。
一般カードは年会費が掛からないことがほとんどですが、ゴールドカードのようにランクが高いデビットカードの場合、年会費がかかることがあります。ランクに比例して、付帯特典や優遇などが充実します。